「緊急事態」の主役になろうと息巻いていたのだが、スタートでつまずいてしまった。安倍晋三首相が緊急事態宣言を行った4月7日夜、小池百合子都知事は肝心の「休止要請リスト」を示せなかったのだ。繰り返し安倍氏に宣言を迫り、宣言が出たら直ちに対応すると「予告」までしていたが、なにがあったのか——。
記者会見で両手を大きく広げる東京都の小池百合子知事=2020年4月7日夜、東京都庁
写真=時事通信フォト
記者会見で両手を大きく広げる東京都の小池百合子知事=2020年4月7日夜、東京都庁

「宣言前」にわざわざ予告していたのに…

7日夜。午後7時から安倍氏が首相官邸で記者会見を開き「非常事態宣言」を行った。それを受けて小池氏が午後8時から会見に臨んだ。

「本日、国が7つの都府県を対象として緊急事態宣言を発しました。都におきましては全域がその対象区域となったわけでございます」

会見を聞く者は都民に対する具体的な要請の内容を待った。小池氏は、外出の自粛は求めたが、焦点となっていた民間施設への休業要請の対象は、明らかにしなかった。「国との間で調整を行っているところで、9日に成果を得て10日発表、11日から実施というスケジュール感でいきたい」と語るのみだった。

記者たちは耳を疑った。小池氏はこれまで、政府に対して早く緊急事態宣言を出すよう要求。6日夜の会見では「都民、そして事業者が適切に事前の準備を行えますように」ということで宣言後に都が行う緊急事態措置の案を事前公表していた。

7日に宣言が出るのは織り込み済みだったとはいえ、首相が正式に宣言する前に、それを前提として対応をオープンにするのは異例中の異例。「フライング」の声も出た。