睡眠時間は2時間から3時間を3年つづけた
そう言われると、私も途中で投げ出すわけにいきません。9時から17時までは通常の業務、それから21時頃まで夜学に通い、またオフィスに戻って時差があるので0時頃まで日本との業務に当たる。そこから3時頃まで大学の宿題に取り組むので、睡眠時間は2時間から3時間。この生活を3年つづけました。
まだ娘が幼い頃で、家事や子育ても助けてあげられず、反省しています。無事に卒業したときは、マラソンで最後ふらふらになった最終走者が入ってくるような感覚でした。教授からも「諦めないでよく頑張った」と褒められ、卒業式では、仲間たちから最も大きな拍手をもらいました。自己投資に相応の金額がかかりましたが、あの3年間で英語力にも金融知識にも自信を持つことができました。
英語を学ぶメリットは、“もう1つの思考回路”が持てること。私自身、英語を話すときはいつもと違う思考になっていると感じます。たとえば、結論から先に伝える、「イエス」と「ノー」を明確にする、これだけでも大きな違いでしょう。英語を話さない場合でも、「これは海外で通用する説明か」「ダイバーシティーインクルージョンの観点から見て大丈夫か」といったスクリーニングは強く意識しています。
(構成=伊田欣司 撮影=大槻純一)