本来の背骨のカーブを取り戻す

とりわけ注目すべきは、前かがみの姿勢で前方へカーブしがちな腰椎を、後方へ引き戻す効果です。継続していると、腰椎はもちろん、背骨全体の本来のカーブ構造が再構築されていきます。そして、こうした動きをすることによって、腰椎の柔軟性が養われ、前方重心の癖が解消されます。その結果、理想的な荷重バランス=「後方寄りの重心」のかけ方が自然とできるようになり、非常に疲れにくい体をつくることができるのです。

オフィスでも簡単にできる壁ストレッチ
写真提供=KADOKAWA
オフィスでも簡単にできる壁ストレッチ。脚を肩幅程度に広げ、壁の前に立ってひじを伸ばして手をつく。足の位置を一歩下げたら、腰と胸を前に張る。ゆっくりと呼吸をしながら、30秒~1分ほどゆっくり伸ばす。

また、これらの相乗効果によって、従来は前方ばかりにかかっていた負荷がうまく分散されるようになるため、椎間板ヘルニアの予防にもなります。

酒井慎太郎『絶対に疲れない体をつくる関節ストレッチ』(KADOKAWA)
酒井慎太郎『絶対に疲れない体をつくる関節ストレッチ』(KADOKAWA)

さらに言うと、腰~背中にかけての筋肉にも、大きなメリットがあります。前かがみの姿勢を続けていると、腰~背中にかけて走っている筋肉=脊柱起立筋が引っ張られ続けて、過度な緊張を強いられます。そして、この筋肉の下端は腰の仙骨という骨に付着しているので、前傾姿勢の継続によって腰周りの筋肉が硬直し、腰の筋肉痛(筋・筋膜性腰痛)の原因になります。

しかし、壁オットセイストレッチをすれば、脊柱起立筋は「いつもとは逆の刺激」によってほぐされることになります。そのため、軽度な腰のだるさ・張り・筋肉痛程度なら、抜群の効果を発揮します。このストレッチを行うだけで、だいぶ楽になるはずです。

オットセイストレッチはもともと、床に寝て行うスタイルのものでした。それをアレンジして、有効性の高さはそのままに、壁さえあればいつでもどこででも行えるようにしたのが、「壁オットセイストレッチ」なのです。ぜひ、試してみてください。

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