その代田さんの評価が一段と高まったのは、営業マネージャー時代に最重要店舗・新宿伊勢丹の自社売り上げを年間8億円から10億円の大台に乗せたとき。取扱商品を徹底的に見直し、販売スタッフの入れ替えも行った。

「人事に関してスタッフの反発がなかったとはいえません。しかし組織を変える必要性と本人の異動後の役割をじっくり説明して納得してもらいました。結果的に、この事態を通じて以前より絆が深まったスタッフもいます」

日頃も部下への目配りは徹底している。最近は自身が休みとなる土日も出勤する販売スタッフを気遣い、自宅から各店に応援メールを送るのが習慣だ。

「女性が多い職場なので、こんなコミュニケーションもいいんじゃないかと。返信があれば私もうれしいですし、お互い頑張ろうと思えますから」

顧客、そして部下と共感できる能力が、売り場を元気づけているようだ。

服装や靴の選び方…突然のクレームや商談に対応できるよう、服装の色はいつも黒、グレー、ベージュ。ジャケットも必ず着る。

お客様との接し方…現在、お客様と食事することはない。ただ、取引先とは時折会食して、お互いの悩みを相談するなどして、励ましあっている。

セクハラ防衛法…前職では、取引先の接待で、太ももに手が伸びてきたことも。やんわりと手を外すなど失礼がないように対応。

ONとOFFの時間…公休の土日は、料理の話などマイブーム入りの応援メールを販売スタッフに送る。OFFの日でも完全に仕事を忘れることはない。

自分のセールス点…粘り強さ。売り上げ目標金額を上司から設定されたら、必ず自分の力を120%発揮して達成しようとするところ。

(飯貝拓司=撮影)