基本的に「全力疾走」はしない

これまで宅配の現場は男性中心だったけれど、徐々に女性にとって働きやすいように変わっている。佐川を中核会社とするSGホールディングスグループでは2011年から「わくわくウィメンズプロジェクト」を始めた。会社全体で女性社員をバックアップしようというプロジェクトだ。山本は所属する営業所で、その責任者を務める。

「現場の女性社員が集まって話をする機会も多くあります。昔からいる社員に聞くと『ほんとうにずいぶん働きやすくなった。保育園に子どもを迎えに行くのが楽になった』と言われます。私のグループでも、『この人は家庭の都合で、何時には会社を出なければいけない』と情報を共有して、声をかける。私自身、子どものために帰らなければいけないときは、上司に、『今日は何時に帰りたいです、そのあとはお願いします』と言います。堂々と言って、みんなが早く帰れるようにすることが重要です。ですから、セールスドライバーは仕事と保育園のお迎えを両立できるんです」

佐川といえば、体格のいい佐川男子が年中疾走して荷物を運んでいるといったイメージだったが、実際は佐川女子が着実に増えている。イメージは変わりつつある。だが……。彼女たちもまた走って荷物を届けているのだろうか?

「お客さまに『走って届けるんですか?』と聞かれることがあります。でも、私たち、走るときもあるにはあるけれど、基本は全力疾走はしません。お客さまからお預かりした荷物を大切に届けることが第一ですから」(敬称略)

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