日本の感覚では安いでしょうが、中国の感覚だとかなり高い。ホワイトカラーの平均年収の倍だし、アリババ本社がある杭州市は物価も安いからです。とはいえ、初任給の数字だけ見ると、フェニックスと呼ぶにはもの足りない感じがします。

実は、すごいのは給料以外の部分なのです。アリババ社員は等級が上がると自社株がもらえる。2000株を4回に分けてもらうそうですが、100万元(約1600万円)相当というから、かなりの額です。株価はさらに上がり続けているので、すごい利益になる。優秀な人なら2~3年でこの等級に上がるとのこと。

百度も同様に年収14万元(約225万円)からのスタート。ただし、昇給率がものすごい。3年間働くと、最高で3倍の45万元(約720万円)ぐらいになる。最低でも23万元(約370万円)です。すぐ辞める人が多いので、低くスタートして、長くつとめればつとめるほど得をするシステムにしているのでしょう。

会社が持ち家を用意してくれる

百度の場合も、等級が上がると自社株をくれます。これが30万~40万元(約480万~640万円)ぐらいになる。こちらも、優秀な人ならだいたい3年でこのクラスに到達するそうです。

テンセントも年収10万元(約160万円)からのスタートで、ボーナスは3カ月ぶん。ただし、3年以上働くと300株がもらえるそうです。

中国は競争社会ですから、給料もみんなで一斉に上がるわけではありません。猛烈に上がる人と、ほとんど上がらない人がいる。激しい競争を勝ち抜いて、入社5年目で1000万円を稼ぐようになったのが鳳凰男なのです。若くして能力が認められたわけで、このあと彼の給料はさらに上がっていくことでしょう。

BATには地方出身者が多いイメージを私はもっています。当然、家なしですが、こうした一流企業では住宅のケアもしてくれます。アリババだと、本社のそばにマンションをたくさん建てて、社員には相場の4割引きで提供している。

さらに、マンションを買うときには30万元(約480万円)を無利子で貸してくれる。上海や北京だと30万元では十分でないのですが、杭州の中心部から離れた場所なら、十分、頭金になる。アリババほど信頼性のある会社につとめていれば、銀行も喜んで住宅ローンを組んでくれるでしょう。