在職中は会社が処理してくれた諸々の手続きも、定年後は、自分でしなくてはいけなくなる。定年退職時にしなければならない生活の根幹にかかわる4大手続きの概要をまとめた――。

すぐにすること、してはいけないこと

定年退職時に必要な手続きのポイントは雇用保険、健康保険、公的年金、税金の4つである(表1参照)。

▼雇用保険

雇用保険、いわゆる失業保険を受け取るには、住所地のハローワークで求職の申し込みをしなければならない。

「受給期間は退職後1年間。求職の申し込みの手続きが遅すぎると、基本手当の日数が残っていても受けられなくなるので注意してください」(社会保険労務士の渋谷康雄さん)

給付を受け続けるには4週間に1度、失業の認定を受けなければいけない。しかし、40年近く働いて定年を迎えたのだから、旅行などでゆっくりしたい人もいるだろう。すると4週間に1度、ハローワークに通うというのは難しい。

「60歳以上の定年退職者には特例として、離職日の翌日から2カ月以内に就職を希望しない期間(1年を限度)の申し出をすれば、受給開始を延期することもできます」

とはいえ、しばらく休めるというのは恵まれている人。60歳で定年を迎えた約8割の人が再雇用や再就職の道を選んでいるのが現状だ。

「雇用保険の給付期間中に早く再就職が決まれば支給残日数の60~70%に相当する額がもらえる『再就職手当』。また、再雇用で給料が大幅ダウンした場合に支払われる『高年齢雇用継続給付』という制度もあります。詳しくはハローワークや新しい雇用先の総務部に相談しましょう」