「お金」についてだれに相談するのがいいのか。ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔氏は親族、金融機関、友人、お金のプロという4つのケースについて分析したうえで「他人の話をうのみにしがちな人は、どんな人に相談する場合でも注意が必要だ」と警鐘を鳴らす。相談相手を選ぶうえでの最大のポイントとは――。

銀行? 親? 友人? あなたは投資の相談を誰に頼むべきか

「あなたとお金の生存戦略」というテーマでお金のあらゆる問題を考える本連載。今回は「お金の相談相手は誰がいいのか」というテーマを取り上げます。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/itasun)

資産運用の相談相手として、銀行や証券会社はテレビCMなどを盛んに行っています。担当者の顔を思い浮かべた人もいるでしょう。

あるいは両親やきょうだいを思い浮かべた人もいるかもしれません。確かに両親を含む年長者の意見は、耳を傾ける価値があるような気がします。友人を思い浮かべた人もいるでしょう。中でも投資経験豊富な友人や金融関係の仕事をしている友人などは「使えそうだ」と思われたかもしれません。

さて、あなたはお金の相談を誰に頼むべきでしょうか。

■パターン1 親にするべき相談は「援助」に限定したほうがいい

それでは「親」や「兄弟姉妹」などの親族に資産運用について相談することは適当でしょうか。

私は基本的に親族へ相談するべきではないと考えます。特に親は避けるべきです。具体的なタイプをあげてみましょう。

「投資はまったく未経験という親」
「投資経験はあるが、バブル崩壊前後の相場に手を出して失敗した親」
「定年退職時に株に手を出したが、リーマンショックで腰が引けて、損した親」
「投資で小銭を稼いだ経験のある親」

投資に理解のない親は、投資を最初から悪いものと決めつけて、否定するでしょう。これは本質的に間違っています。低金利の時代にあって、資産を少しでも増やすためには、なんらかの投資が必要不可欠です。しかし、この点に関する無理解から投資を全面否定する親世代は少なくありません。

一方、投資の経験があっても、かつて手痛い失敗をしていた場合には、投資を否定しがちです。失敗の根本的な原因は、中長期的な経済成長ではなく、短期的な利殖に目がくらんだからです。ところがその原因をいまだに理解していない人が多いようです。

さらに困ってしまうのは、投資の経験があり、現在もそれなりに儲けていて、子どもの投資を否定しないという親です。儲けているといっても、あくまで素人のレベルです。自信過剰になっている状態はかなり危なっかしい。「俺が相談に乗ってやる」と前向きになられても、相場師がアドバイザーになったようできわめて居心地が悪い。しかも「親の言うことを聞け、信用しろ」という圧力を加えることもあり、むしろ弊害のほうが多いと思います。

理想的なケースは、細かいことはいわず、だまって長期分散投資の解説書を貸してくれるような親ですが、遭遇する確率は低いと考えておいたほうがいいでしょう。