高齢化社会が進むなか、医療モールに再びスポットが当たり始めた。複数の医療機関や薬局などを、ショッピングモールのように1カ所へと集約させた施設だ。

駅前ビルなどの好立地型が意外と苦戦中

医療機関側は受け付け業務や設備などの共用で、コストを減らせる。患者側にも、ワンストップで様々な専門医に診てもらえるのが魅力とされる。2000年代半ばから急増中で、武蔵野大学経済学部の積田淳史准教授は「定義は明確ではないが、狭義では全国に数百、広義では1000を超える施設が存在するもよう」と指摘する。

地域医療を支える仕組みになれるか。(時事通信フォト=写真)

一方で10年頃から、規模縮小や閉鎖を余儀なくされるモールも出てきた。

「駅前ビルなどの好立地型が意外と苦戦中。街として成熟しているとすでにかかりつけ医がいるケースが大半ですし、1度に複数の専門医に診てもらうケースは多くない。集約にはさほど魅力が感じられず、来院患者数が伸びない」(積田准教授)

国などの規制も足を引っ張る。医療機器や待合室、カルテなどの共用が難しく、コスト削減も進みにくい。とはいえ、今後を見据えれば医療モールへの期待は大きい。

国は医療費抑制のために予防も含めた医療や介護などを一体で提供する地域包括ケアを推進中で、「スポーツジムや介護施設を併設したモールが普及する可能性もある」(同)。そのための規制緩和を含めたルール整備が不可欠だ。