サンマルクは原材料をすべて使い切る

最大の要因は原価率が低いことだが、「ロイヤリティーは売上高の5%相当額」といったようにFC展開をしていること、それに商品回転日数が速いことが原価低減につながっているといっていいだろう。

『図解!業界地図2018年版』(ビジネスリサーチ・ジャパン著 プレジデント社刊)

売上高と期末在庫から計算する商品回転日数は、サイゼリヤの約2週間に対して、サンマルクHDは1.5日である。

トリドールHDも2日と短いが、それよりもさらに短い。サンマルクHDの各店舗は1.5日で、原材料をすべて使い切り在庫を持たないということ。結果的に、不良在庫や原材料の廃棄が少なくなり、原価率をおさえることが可能になるわけだ。ただし、サンマルクHDの18年3月期は、減益になるようだ。

レストランのほかに「箱根ガラスの森」も運営しているうかいは、1000円にたとえた収支は、原価459円、経費505円、儲けは36円というのが内訳だ。

原価がほかの3社と比較して高くついているが、店舗人件費も含んでいるためだろう。材料費そのものは売上高の20%強、つまり、1000円につき200円といったところだ。高級素材は使用するが原材料の原価率そのものは、他の外食チェーンとあまり変わらないようだ。

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