おとなしい転職先に“闘魂注入”した40代

――では、前向きで成功する人は、どれくらい前向きなんですか?

【B】やはり、楽観的に物事を考えられることは大切ですね。業種で言えば、外食や小売りは直接お客様と触れ合うので、とりわけ明るさや前向きさがないと。よく、「社長と相性が悪い」と悩む人がいますよね。でも結局、人間関係はどんな状況下でも自分でつくれなきゃダメなんですよ。前向きな人なら、乗り越えられます。

(PIXTA=写真)

【A】元気な40代が、慎重でおとなしい社風の会社に入った例を知っています。普通ならハレーションを起こしてハイ終了、なのですが、この人の場合は、その職場に“闘魂注入”した格好に。マネジメントとマッチして、部や課によい波及効果を与えました。

【C】親の介護や子どもの健康状態がきっかけで転職する人も、今は多いですね。都会育ちで田舎を知らない人が、ある地方での地域おこしの起業体験が「心に響い」て、家族を連れて転職した例もあります。仕事が人生に占める割合は多いし、生き甲斐も仕事から得る場合が多い。仕事もプライベートもハッピーになる選択なら、成功といえるかもしれません。

――いい事例ですね。慎重な人が成功する事例についてはどうでしょうか

【B】新天地で自分がやるべきことに関して、面接で慎重かつ的確な質問ができる人は、企業側も「おー、さすがだな」と安心します。企業ごとに「ここを聞かずに入ってこられちゃ困るよ」というポイントがありますから、そういう点では慎重派のほうが有利。業種で言うと、経理畑や法務畑は慎重で細かい人が多い印象です。

【A】能天気はNG、慎重な人じゃなきゃダメなポジションというのもあります。例えば、会計の不祥事で営業トップを交代させるときや、新しく内部統制部門をつくるとき、ここには必要以上に慎重な人を配置したほうがよい。「すごく堅い人が来た」と、社内にもメッセージが伝わります。

【C】あるメーカーの管理部門の50代部長の例がわかりやすい。とても慎重で穏やかな人柄でした。考え方に軸があるので単純に「いい、悪い」「イエス、ノー」ではなく「自分の考えはこうだからノーです」「でも、ここまでだったらいいです」と丁寧に説明できる人でした。転職先でも「あなたが言うならわかった」と、周囲からも絶大な信頼を得るようになったそうです。