子供の頃から成績優秀で、志望校に現役入学。就職活動も引く手あまただった。そんな賢い高学歴者が社会に出た途端、仕事で評価されずにあえいでいる。何が問題なのか。どうすれば解決するのか。ここに処方箋を公開する。
●ケース1:Kさん36歳
面接で通りやすいという理由で営業職を志望し、入社。同期のほとんどは、自分より学歴が低い体育会系出身者やコネ入社だった。酒席の話題、カラオケの選曲など、とにかく波長が合わない。しかし仕事面で結果を出すのは、自分よりも泥臭い営業ができる同期だ。結果、一人だけ昇進が遅れてしまった。

低学歴の同僚と話が合わない

Kさん(36歳)は、附属校からエスカレーター式で有名私大へ。映画研究会で自主映画を撮影するが、本職にできる才能はないと思い、就職活動は一般企業を回った。インテリア系大手メーカーの面接では、志望が企画制作とは伝えず、通りやすさを重視して「現場のニーズを知りたいから、営業にいきたい」とアピール。晴れて採用の後、営業に配属された。

写真=PIXTA

入社して思ったのは、「同期とウマが合わない」ということ。営業を統括する常務が自分と同じ体育会系出身者を積極的に採用し、取引先の親類というコネ入社も多く、非一流大卒が目立った。頻繁に開かれる飲み会で、酒をあおるコールは下品に思えたし、カラオケの曲も好みではない流行歌ばかり。「共有できることがほとんどない」と感じた。

波長が合わないのは同期だけではない。移動中、先輩が少年漫画誌を読みふけること、地方の女性契約社員の話題が、彼氏とパチンコばかりであることにも落胆。コミュニケーションが大事と知りながら、つきあいを極力避けるようになる。一方、自分と同じ大学出身者は、年齢を問わず、趣味の話や面白いと思うツボなど、波長が合った。

しかしこと仕事になると、同期のほうがガッツや社交性があるせいか、成績がいい。Kさんは心のどこかで「売り上げが伸びないのは景気のせい」とあきらめる傾向があった。

入社から数年。ほとんどの同期がチーフ職に就く中、Kさんだけ昇進が1年遅れた。「かなりショックでした。それ以降、周囲が『あいつはダメだ』と自分の悪口を言ってるような気がして……。今、仕事に対してやる気が起きず、困っています」(Kさん)。