楽天デリバリーで弁当ビジネスに出合う

【田原】楽天では、どんなお仕事をしていたのですか。

【岸田】新入社員は全員、まず営業活動をします。僕は最初の月に成果を出して新人賞を獲得。活躍を認めていただき、2カ月目には新事業の子会社に出向になりました。お弁当の宅配をする楽天デリバリーという会社です。

【田原】なるほど。岸田さんはそこでお弁当ビジネスと出合うわけですね。具体的には、どんなサービスですか。

スターフェスティバル社長 岸田祐介氏

【岸田】お弁当を宅配している業者さんにお声がけをしてインターネット上に掲載させていただき、お客さんにつなげます。お客さんはそれを見てネットから注文。注文を受けたお弁当業者が自分たちでお弁当をつくって、配達もするというビジネスモデルです。

【田原】ちょっと分からない。もともとお弁当の宅配をしている業者というのがいるの?

【岸田】います。たとえば会社の会議用にお弁当を届けたり、イベント会場にお弁当を手配したり。

【田原】ああ、仕出し弁当ですか。

【岸田】そうですね。当時はお弁当を宅配してくれるお店を探したければ、紙のタウンページをめくるしかありませんでした。それをネット上でできるようにしたのが、楽天デリバリーというわけです。

【田原】お客さんはどうやって集めたのですか。

【岸田】楽天はもともとEコマースをやっているので、そちらのユーザーにサービスを紹介しました。もっとも、最初は苦戦しました。お客さんがいないので、まずは楽天の社内で使ってくれとみなさんに頼んだのを覚えています(笑)。

【田原】楽天デリバリーはうまくいったの?

【岸田】僕は立ち上げから2年半で他に移りました。異動したときは約1000店舗でしたが、その後、1万店舗くらいいっているんじゃないでしょうか。