そうやって教材を揃えたり、習い事に通わせたり、学ぶ環境づくりは一生懸命してくれるのですが、結果についてはまったく頓着しない。「結果を求めない」という教育哲学があったわけではなく、たぶん、仕事や家事に忙しくて、そこまで意識が回らなかったのだと思います。

母は、凝り性で何事にもこだわります。掃除もやり方や道具を自分なりに研究して、家の中は常にピカピカ。3兄弟が暴れまわっても、家の中はホコリ一つ落ちておらず、いつも整っていました。料理も卵焼き一つつくるにも、天草の卵にどこそこの塩、それにマヨネーズもちょっと加えて……と工夫する。それで夜中の2時に、「大智、すごい卵焼きができた」って叩き起こされる(苦笑)。朝、起きられないのも、夜なべして料理やら掃除やらの研究をしているからだったりするんです。

朝、起こしてはもらえないけど、起きるとおいしいご飯ができている。本当にバランスは悪いけど、愛すべき母です。いま思えば、母は子供たちのために、とにかく巣づくりだけ一生懸命やっていたんだと思います。そして、そこで子供がどう育つかについては一切口出ししない。結果的にそれは僕にとって最高の子育てで、「母ちゃん、天才!」って言いたいですね。

武田双雲
1975年熊本県生まれ。東京理科大学卒業後、NTTに入社。3歳から母・双葉さんから指導を受けていた書への思いが高まり、脱サラして書道家に転身。ストリート書道や斬新な個展で注目を集め、一躍人気者に。
(プレジデントFamily編集部=構成 干川修=撮影)
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