2016年2月26日(金)

ぬくもりのあるW杯へ、“ラグビーのまち”釜石の奮闘

スポーツ・インテリジェンス【第50回】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
松瀬 学 まつせ・まなぶ
ノンフィクションライター

1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書は『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)など多数。

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松瀬 学=文
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市民総参加の大会へ!

ラグビーの2019年ワールドカップ(W杯)日本大会の開催地が決定して1年が経とうとしている。「ラグビーのまち」といわれる岩手県釜石市はW杯開催に向け、準備が本格化してきた。東日本大震災からはまもなく5年。「W杯で復興加速を」との期待が高まる。

釜石市は、かつて「北の鉄人」といわれたV7の新日鉄釜石ラグビー部の本拠地だった。だが、W杯用スタジアムがまだ存在していないのは、開催12都市の中では釜石だけ。人口3万6000の被災地にとっては、「壮大なるチャレンジ」と言ってもよいだろう。

釜石市ラグビーW杯推進室の増田久士さんは「焦りはありますよ」と苦笑する。

「試合中みたいなもので、(準備状況を)振り返ったり、感傷的になったりする余裕はありません。いろんな方の努力や、ひとりひとりの積み重ねで、ここまできたんです。施設の建設、活用も大事ですが、まちの人々のエネルギーをどう高めていくのか。市民と行政が一緒になって前に進んでいかないといけないでしょう」

20日の土曜日は、釜石市でラグビーW杯に向けたタウンミーティングがあった。約100人の市民が参加し、パネリストが「市民総参加の、ぬくもりのある釜石らしい大会を」とW杯機運を盛り上げた。

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