W杯後をどうするか

まちの復興は着実に進んでいる。W杯用スタジアムの建設予定地、鵜住居(うのすまい)地区では土地の造成工事が急ピッチで進んでいた。スタジアムの基本設計は終わり、新年度には本格的な建設工事に入る予定である。

約30億円といわれるスタジアムの建設費用などの財源も、大方を賄う目途が立ちつつある。「釜石市ラグビー子ども未来基金」の寄付金は1億4000万円を突破した。準備状況は「ほぼ順調」とみていい。

もちろん、課題も山積している。スタジアムの建設費や維持費の財源確保や大会機運の盛り上げのほか、大会の宿舎や交通手段の確保、ボランティアのトレーニングなど。まちの飾りつけとなる「シティー・ドレッシング」や「ファン・ゾーン」も検討していかないといけない。

いずれにしろ、釜石の復興の様子を海外の人々に見てもらうだけではなく、W杯後を見据え、どうスタジアムを有効活用するのか、W杯を契機としてどういったまちづくりをするのかである。

例えば、宿舎の確保策のひとつとして、客船の「観戦クルージング」などのアイデアも出ている。W杯中に客船に宿泊してもらうだけでなく、大会後も釜石を三陸海岸のクルージングの拠点とする狙いなのだ。