2016年3月4日(金)

レジェンド大野均のスーパーラグビー・サンウルブズにかける覚悟とは

スポーツ・インテリジェンス【第51回】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
松瀬 学 まつせ・まなぶ
ノンフィクションライター

1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書は『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)など多数。

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松瀬 学=文
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恥ずかしくない試合を

ラグビー界のレジェンドといえば、日本代表ロックの37歳、キンちゃんこと大野均(東芝)である。世界最高峰リーグのスーパーラグビーに日本から初参戦したサンウルブズの開幕戦でも、チームの先頭に立ってからだを張り続けた。日本ラグビーのためという使命感と人格がプレーに凄味を加えた。

2月27日の土曜日。歴史的な試合に約2万の観客が東京・秩父宮ラグビー場に押しかけた。試合は、13-26でライオンズ(南アフリカ)に敗れた。でも、試合後、大野の顔には充実感が漂っていた。右目の上は4cmの裂傷を負い、絆創膏が貼ってあった。

「このトシでチームに呼んでもらっているんです。これからの日本ラグビーのため、代表強化のためのサンウルブズです。その意味をしっかりと考えて、プレーしないといけないと思っていたんです」

昨年のラグビーワールドカップ(W杯)イングランド大会では、日本代表のジャージを着て暴れまわった。南アフリカ代表を破って、ラグビーファンを驚かせた。日本代表のキャップ(国別代表戦出場)数は「96」。説明不要、大野がいるとチームが締まる。

そのベテランが憧れていたのが、スーパーラグビーである。サンウルブズのメンバーに入ることにおいて、大野は喜びと責任を感じている。開幕戦を「新たな歴史の一行目」と表現した。味がある。

「テストマッチ並みの緊張感がありました。サンウルブズの歴史的な1試合目ということで、ちょっとナーバスな部分もありました。これだけのお客さんが入ってくれたのです。血が出ても、脳しんとうになっても、恥ずかしくない試合をしたかったんです」

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