2016年3月25日(金)

超ポジティブ! スーパーラグビー開幕3連敗も存在感を発揮する山田章仁

スポーツ・インテリジェンス【第54回】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
松瀬 学 まつせ・まなぶ
ノンフィクションライター

1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書は『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)など多数。

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松瀬 学=文 写真=『ラグビー魂』編集部
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今やらずにいつやる

この存在感はどうだろう。世界最高峰リーグの「スーパーラグビー」で開幕3連敗の『サンウルブズ』にあって、ウイング山田章仁(パナソニック)は輝いている。“旬”の人は光っている、これはアスリートでもしかりである。

昨秋のワールドカップ(W杯)イングランド大会のサモア戦で値千金のアクロバッティングなトライを挙げ、山田は一躍人気者になった。海外クラブからのオファーを断って、スーパーラグビーに日本から初参戦するサンウルブズと契約した。会見ではこう言った。

「ラグビー人気が盛り上がっている中、“今やらずにいつやるんだ”という思いで乗り込みます」

慶大時代から、ラグビーファンをことのほか、大事にしてきた。目立ってナンボ、時折変えるユニークな髪形も存在感をアピールするためだろう。端正な風貌と全身を貫く活力、美人モデルを伴侶とする30歳。日本でのラグビー人気を定着させるため、テレビのバラエティー番組などにも出演してきた。

もちろん、一番大事なことはフィールドで華麗なプレーをすることである。陰での努力は怠らない。シンガポール(12日)でのチーターズ(南アフリカ)戦では切れ味鋭いステップを生かして3トライの“ハットトリック”をマークした。が、東京・秩父宮ラグビー場(19日)でのレベルズ(豪州)戦では、トライを挙げることができなかった。

9-35で完敗。試合後、メディアに囲まれると、山田はこう、口を開いた。

「残念です。勝てなかったのが非常に残念です」

トライの嗅覚に長けながらも、トライは「運も関係ある」と強調する。いいテンポで攻めても、ゴールラインを割ることができなかった。チームとしてもトライを奪えそうで奪えない。レベルズのディフェンスの堅さもあろうが、初めてノートライに終わった。

「僕自身を含めて、チームのチャンスは少ないので、しっかり(トライを)取り切らないとダメだということです。トライラインが見えたとき、もうひと踏ん張り、できればいいのかなと思います」

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