2016年2月12日(金)

清原和博覚せい剤容疑で逮捕、球界の再発防止策は

スポーツ・インテリジェンス【第48回】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
松瀬 学 まつせ・まなぶ
ノンフィクションライター

1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書は『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)など多数。

執筆記事一覧

松瀬 学=文 AFLO=写真
1
nextpage

「セカンド・キャリア」という悩み

残念である。かつてのプロ野球のスーパースター、清原和博容疑者が覚せい剤所持容疑で逮捕されて1週間余が経った。本人の愚かさはともかく、これを止める仲間が周りにいなかったことが悲しい。

スポーツは「仲間作り」だと思っている。PL学園高校時代、清原容疑者は桑田真澄さんとともに「KKコンビ」として活躍した。光り輝いていた。そのふたりの高校時代を取材していた筆者として、桑田さんの「絶縁発言」はショックだった。

PL学園高校時代のふたり(写真=AFLO)

桑田さんは巨人でも清原容疑者と一緒にプレーしていた。引退後も、連絡を取り合っていると聞いていた。桑田さんは1月、早稲田大学の講義で特別講師を務めた際には、清原容疑者から以前、プレゼントされたサインつきの背番号「5」の巨人のユニフォームを披露していた。

なのに、実は桑田さんは3年ほど前、清原容疑者から「もう一切関わらないでくれ」と電話で言われていたという。桑田さんの「小姑(こじゅうと)のような」言葉が、同容疑者は嫌になったのだろう。そんな中でのニュースだった。桑田さんの心中も察して余りある。

清原容疑者の野球の才能、情熱は誰もが認めるところである。結果は残した。「番長・清原和博」として、豪快なイメージを装うことに苦心し、本当の仲間づくりは疎かになっていたのではないか。週刊誌の薬物疑惑報道で離れていった仲間もいたかもしれない。

プロ選手の、引退後の「セカンド・キャリア」は難しい。もちろん、本人の努力は必要だが、そこに球界として、引退選手をサポートする仕組みがない。これは、日本のスポーツ界の共通の課題である。

PickUp