2016年2月5日(金)

町工場の技術力とあきらめない心! 下町ボブスレーのオリンピック挑戦

スポーツ・インテリジェンス【第47回】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
松瀬 学 まつせ・まなぶ
ノンフィクションライター

1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書は『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)など多数。

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松瀬 学=文
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やっとスタートが切れます

あきらめずに、みんなで努力すれば、いつか夢は叶う。東京都大田区の町工場の技術と情熱を結集した国産そり『下町ボブスレー』。これは池井戸潤著の「下町ロケット」のごとく、小さなモノづくり企業の男たちの痛快なストーリーである。

下町ボブスレーネットワークプロジェクト公式サイトより

下町ボブスレーのプロジェクトチームが過日、ジャマイカボブスレー連盟と2018年平昌冬季五輪に向けて相互に協力することで合意した。プロジェクトの責任者、細貝淳一さんは電話口で言った。

「やっと、やりました」

もう、こちらもうれしくて。どうしても、会って話を聞きたく、数日後、大田区の町工場街の会社に細貝さんを訪ねた。こんなに胸がわくわくする取材は久しぶりだった。

相変わらず、細貝さんはエネルギッシュである。部屋に入って来ると、空気がパッと明るくなるのだった。おめでとうございます、と言えば、「ありがとうございます」と笑顔を返してくれた。

「これで、やっとスタートが切れます。これまで準備ばかりして、からだを温めるだけの毎日で、ずっと暖機運転(機械を始動した直後などに低負荷での運転を一定期時間行うこと)の状態だったのが、ようやく走り出せるんだナって思うんです」

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