2015年10月16日(金)

「悪夢との訣別」ラグビーW杯最年長・大野均がもらった祝福メール

スポーツ・インテリジェンス【第32回】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
松瀬 学 まつせ・まなぶ
ノンフィクションライター

1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書は『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)など多数。

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松瀬 学=文
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キンちゃんの男泣き

激烈なラグビーワールドカップ(W杯)の戦いが終わった。最後の米国戦の翌朝、日本代表最年長の37歳、キンちゃんこと大野均(東芝)の顔には充実感が漂っていた。英国グロスター近郊のホテル。いつもの、のどかな口調で感想を漏らした。

「1、2度目のワールドカップでは全然勝つことができずに終わった。でも、3度目の今回は勝つことができた。決勝トーナメントにいけなかった悔しさはあるけど、率直にいえば、大きな達成感があります」

確かに目標のベスト8入りは逃した。だが日本代表は歴史的な勝利を3つも積み重ねた。これまでの7大会で通算1勝21敗2分けだったのだから、いかにこの成績が快挙だったかがわかる。

とくに初戦。過去W杯2度優勝の南アフリカにノーサイド寸前の逆転勝ちを収めた。このとき、キンちゃんは人目をはばからずに男泣きした。192センチ、106キロの大きなからだを震わせ、あごひげの顔をくしゃくしゃにした。

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