2015年10月30日(金)

巨人再建へ、40歳の「エリート」由伸監督の覚悟

スポーツ・インテリジェンス【第34回】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
松瀬 学 まつせ・まなぶ
ノンフィクションライター

1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書は『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)など多数。

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松瀬 学=文
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揺るがぬ「覚悟」

荒れた海に船を乗り出す船長の心境か。まだ40歳。爽やかなイメージの高橋由伸氏がプロ野球巨人の新監督に就任した。NHKテレビによると、26日の就任会見ではこう言った。表情は硬くみえた。

「今まで先輩たちが作り上げてきた伝統を守りつつ、自分らしさを出しながら、覚悟を持ってまい進したいと思っています」

打撃コーチ兼任となった今季、巨人はセ・リーグ4連覇を逃した。チーム打率はリーグ最下位に終わった。またチームでは野球とばく問題にも揺れている。

そんなとき、監督就任を要請され、18年間の現役生活への未練を断ち切り、受諾した。巨人V9時代を覚えている人間からしたら、ジャイアンツは特別なのである。そうそうたる歴代監督がならぶ。相当な覚悟なくして、監督になるのは難しかろう。

決断の理由の1つは、先輩たちからのエールだった。入団時の監督だった長嶋茂雄終身名誉監督、原辰徳前監督、王貞治球団会長らから背中を押された。1歳年上で同僚だった松井秀喜氏とは電話で話したそうだ。

「松井さんは、それはすごくいいことじゃないかと。僕にもできることがあれば、何でも協力すると。とにかく思い切って頑張ってくれということでした」

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