今年4月、トヨタ自動車は「AA型種類株式」と名付けた新型株式を発行すると発表した。AA型とはトヨタ初の量産乗用車に由来しているとおり、これはトヨタオリジナルの特殊な株式である。

豊田章男社長は株主総会で「民間企業のトヨタが資本市場を活性化する」と述べた。(時事通信フォト=写真)

このAA型種類株式は非上場、議決権付き、5年間の譲渡制限があるが5年目から普通株式に転換可能、配当が1年ごとに段階的に上がることなどが特徴。トヨタは個人の持ち株比率が低いため、中長期保有の個人投資家の株主比率の引き上げが今回の狙いである。6月16日の株主総会で発行が可決されたが、総会前に議決権行使会社最大手のISS社などが反対を表明したように、その効果を疑問視する声も多い。だが成功すればモデルケースにもなりうる。

では、投資家にとってのメリットは。経済評論家の山崎元氏は、(1)安定的で預貯金・社債よりも有利な利回り、(2)利回りをもらいながらトヨタ株の大幅値上がりの際の利益獲得が狙えることを挙げる。とはいえ、あくまでも株式なので配当がないこともあれば、倒産すると社債より債務弁済順位が下がる商品でもある。「富裕層が資産の1割以下程度をここに置いておくと、後で案外いい投資だったと思うことがあるかもしれないが、サラリーマンは『退職金の半分!』などと集中的に資金を投入してはいけない」(山崎氏)。