プリン体や糖質が0.00%なのに尿酸値が……

私は買い物カゴ・ウオッチャー。

カゴの中身を覗けば、その人の食生活や健康状態がおおよそ推測でき、食生活の改善ポイントが見えてきます。でも、はた迷惑なおせっかいオバサンになりたくないので、その人に声をかけたりはしません。

夏が近づくと、缶ビールをカゴに入れたオジサンが増えてきます。近年、目につくのは、プリン体カット(プリン体や糖質などが0.00%)の高機能性といわれる発泡酒が数本入ったカゴ。ビールは飲みたいけれど、健康診断の尿酸値が気になるゆえの、苦肉の選択なのでしょう。

通常のビール1缶のプリン体は、モヤシ2分の1袋(100g)の半分しかない。けれど……。

一緒に入っているのは、“おつまみ”にするらしい、スーパーの厨房で作られた惣菜の鶏の唐揚げと、乾きもののさきいか。オジサンは? と見れば、Yシャツごしにお腹がポッコリ。そんなオジサンの尿酸値が気になってきました。

そもそも尿酸とは、体内で「プリン体」という物質が分解される際にできる老廃物。この尿酸値を上昇させる原因は、肥満やストレス、激しい運動などもありますが、食事(食べるものや食べ方)も深く関係しているといわれます。

さて、そのプリン体は、細胞の新陳代謝や運動などに必要なエネルギーを生み出す過程で作られます。体内で作られる以外にも、食べ物にも含まれます。

内訳は、体内由来が70~80%、残りの20~30%が食べ物由来。尿酸値を上げないためには、体内で作られるプリン体の量と、食べ物に含まれるプリン体含量の両面からの対策が必要になります。

▼ウォッチ(1)プリン体0.00%の発泡酒が数本

プリン体の量が最も多いアルコール類は、地ビールの一部と紹興酒。次いで、その1/2~1/3量を含む市販ビールが多く、それに日本酒が続きます。ちなみに、ワインやブランデー、ウィスキーにはほとんど含まれず、焼酎に至ってはゼロ。プリン体カットの発泡酒であれば、カットされている分、プリン体含量は少なくなります。

しかし、だからと言って、オジサンがプリン体カットの発泡酒をたくさん飲んでも大丈夫と思っているなら、それは大きな間違いなのです。

なぜなら、仮にプリン体を含まないお酒であっても、アルコール分がある限り、アルコールの分解過程で尿酸が作られるから。そのうえ、アルコールには尿酸の排泄を抑える作用もあります。どんなお酒でも尿酸値を上げる原因になるのです。やっぱり飲み過ぎはダメですよ。