2015年11月13日(金)

「全然老けない人」の買い物カゴに、あの果物とキノコあり!

買い物カゴ覗き隊が行く【4】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
佐藤 秀美 さとう・ひでみ
学術博士(食物学)、栄養士、日本獣医生命科学大学客員教授

横浜国立大学を卒業後、9年間企業で調理機器の研究開発に従事。その後、お茶の水女子大学大学院修士・博士課程を修了。専門は食物学。複数の大学で教鞭をとるかたわら、専門学校を卒業し、栄養士免許を取得。著書に、『栄養こつの科学』『おいしさをつくる熱の科学』(いずれも柴田書店)、『おいしい料理が科学でわかる―日本型健康食のすすめー』(講談社)、『新西洋料理体系第4巻 調理のコツと科学』(共著、ディック社)、『食品学I』(共著、同文書院)、などがある。最新刊『健康診断前2週間で検査数値を改善する本』(自由国民社)が出たばかり。

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栄養士 佐藤秀美=文
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なぜ、70代なのに40代に見えるのか?

私は買い物カゴ・ウオッチャー。カゴの中身を覗けば、その人の食生活や健康状態がおおよそ推測でき、食生活の改善ポイントが見えてきます。

先日、スーパーで「奇跡の人」に出会いました。

若い女性(推定20代)から「ねえ、バーバ」と呼ばれた女性。OLらしきその若い女性(お孫さん)の年齢から考えると、バーバは70歳は超えているはずです。なのに、顔や体型を見て、驚きました。ハツラツと、姿勢もよく、明るい雰囲気。若々しいのです。40代といっても嘘じゃないくらい。

バーバの買い物カゴには、柿や数種のキノコなど、旬の食材が入っていました。“老けない体の秘密”はこれにあったのかと合点がいきました。

柿とキノコ。

言わずと知れた、秋の味覚。旬の食べ物です。地味だけれど、体を老化させにくいすごい栄養パワー(簡単レシピ付き)があることはあとで詳細に解説していきましょう。

その前に、特に年配者ほど取り入れている「旬」の食習慣の文化が消滅の危機にあるので、そのことについて簡単に触れたいと思います。

図1を見てください。60歳代以上の年配者は「旬の食材を選んでおいしく食べる」ことが身についているせいか、健康維持に必要な栄養(厚生労働省策定の推奨量)をある程度摂っています。

図を拡大
図1:栄養摂取量の割合(60歳以上)

昔から日本では「旬のモノは栄養価が高い」という言い伝えがあり、四季折々の旬の食材を積極的に食べ、その栄養を健康に役立ててきました。旬の野菜は旬を外れたモノよりもビタミン類が多いことが近年の研究で明らかにされています。

また「初物を食べると寿命が75日のびる」という言い伝えもあります。

この真偽のほどは「?」ですが、日本が世界一の長寿国となり、日本の伝統的な食事“和食”が“長寿食”として世界中から注目されていることは事実です。“和食”には「旬の食品を上手に選んでおいしく食べる」という生活の知恵がつまっており、これがユネスコ無形文化遺産に登録されるに至った理由のひとつでもあります。

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