2015年5月29日(金)

「もう若くない」浅田真央の覚悟と挑戦

スポーツ・インテリジェンス【第12回】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
松瀬 学 まつせ・まなぶ
ノンフィクションライター

1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書は『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)など多数。

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松瀬 学=文 AFLO=写真
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本当に五輪は目指さない?

5月18日、アイスショーの記者会見で現役続行を発表した浅田真央選手(写真=AFLO)

日本フィギュアスケート界の女王が銀盤に戻ってきた。1年間休養していた浅田真央選手がこのほど、現役続行を表明した。「自然と試合が恋しくなり」と復帰理由を説明したが、2018年平昌冬季五輪に向けてはイバラの道が待っている。

何事も選手が主役である。スポーツ界にあっては、選手の意思が最大限、尊重されるべきである。浅田選手が競技生活を続ける気になったということは、「世界で勝負できる」と踏んだからだろう。浅田選手も佐藤信夫コーチも、相当な覚悟を持っているはずである。

浅田選手は昨年のソチ冬季五輪では最後のフリーで感動的な演技をしたが、6位に終わった。五輪金メダルを目指した同選手がこのまま引退するとは思えなかった。ただ本人は会見で「今の時点でオリンピックは考えてない」と話している。

何度か浅田選手を取材して、その控えめな発言は分かっている。でも、本当にオリンピックは意識していないのだろうか。意識がゼロということはなく、それを口に出すまでの自信がないからではないか。

浅田選手は五輪の厳しさを経験している。さらに世界選手権銀メダルの17歳、宮原知子の存在はともかく、海外ではロシアの17歳、エリザベータ・トゥクタミシェワや米国の19歳、グレーシー・ゴールドら若手選手が出現している。甘くはない。

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