片や小集団型組織で終身雇用。片やフラット型組織で成果主義。どこまでも対極的なトヨタとグーグルだが、共通点が1つある。働く社員たちがみな、仕事への誇りを持っていることだ。

フラットな組織運営はグーグルのビジネスの成長と切り離せない重要な仕組みだ。同社のアジアパシフィック・ピープルオペレーションヘッドのサラ・ロブ氏は「マネージャーは階層組織の中で管理することで評価されることはない。より若い人材に様々なチャンスを与え、イノベーションや変革を起こすようにエンパワーすることで評価される」と指摘する。

一応階層(グレード)はあるが、あくまでも製品がメーンであり、マネージャーも開発の一パートナーにすぎない。徳生氏は「私にはプロダクトマネージャーという肩書がついていますが、あくまでプロダクトをマネージするのであって人をマネージするのではない。製品戦略をどのように進めていくかを最終的に判断する職種にすぎません」と語る。

グーグルはすべてプロジェクト単位で動く。製品によって2人、あるいは200人、2000人単位のプロジェクトもある。メンバー一人ひとりが独立したエンジニアとして複数のプロジェクトに関わるだけではなく、構成メンバーは世界中に散らばっている。しかも各プロジェクトは有機的につながっている。

「世界中に開発拠点がありますが、東京オフィスで完結する製品はほとんどありません。日本人向けの製品を開発するにしても、主要部隊は東京にいても世界中のインフラを使わなければいいものはできない。プロジェクトを円にたとえれば世界にまたがる小さな円もあれば大きな円もある。それらが重層的に重なっているというイメージです」(徳生氏)

グーグルには組織図がないと言われるが、そもそも描きようがないのだ。階層型の“管理”が入り込む余地のない完全フラット型組織なのだ。当然、マネージャーの役割も異なる。「メンバー全員がそれぞれの能力を発揮して最大の努力をしないと目的を達成できない。メンバーの仕事をマネージャーや上の人間がじゃましてはいけない。皆が育ち、能力を発揮できるようにしないといけません」(サラ・ロブ氏)。