2014年10月15日(水)

日本での成長の鍵は、チョイス(選択肢)とお客さま満足度

メットライフ生命保険会長社長「グローバルビジネス」を語る【3】

PRESIDENT Online スペシャル

メットライフ生命保険会長社長 サシン・N・シャー
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多くの選択肢から選ぶ機会を提供

メットライフ生命保険 代表執行役 会長 社長 最高経営責任者 
サシン・N・シャー氏

日本の「おもてなし」は世界的に高い評価を受けている文化です。私自身も家族と日本の伝統的な旅館に滞在し、それを体験する機会がありました。浴衣を着て、部屋にある低いテーブルで食事をして布団で寝るという非日常を満喫したのです。とても細かなところまで気配りが行き届いており、ホスピタリティが芸術の域にまで達している感がありました。

一方で、少し不思議に思うサービスもありました。例えば、食事の時間帯ですが、朝食は8時もしくは8時半から、夕食は6時もしくは6時半からと、2つの時間帯から選べると言われたのですが、その30分にはあまり違いが感じられません。また、朝まだ布団の中でまどろんでいるところへ、仲居さんが元気に「おはようございます!」と部屋に入ってきたのには少々驚かされました。

個人的な感想ですが、完全に身をゆだねて従う覚悟があれば日本のサービス水準は世界でも最高レベルです。ただし、顧客の個別のニーズに対応するのは得意分野ではないようです。例えば、朝寝坊や遅めの朝食など、あらかじめ決められているパターン以外の要望に柔軟に応えるのは難しいのかも知れません。少なくとも私たちが宿泊した旅館はそうでした。

この10年間で、海外資本のホテルが顧客のニーズに細かく対応し、日本での展開を加速している中、日本の旅館の数が約30%減少したのは、この辺にも理由があるとは考えられないでしょうか。最近では和洋をうまく組み合わせ、多様な顧客ニーズに対応している旅館もあります。今後も旅館が日本の「おもてなし」文化を体現する存在であり続けることに疑問の余地はありませんが、「ワンパターン」のアプローチでは競争力が保てるかちょっと疑問を持ってしまいます。

日本の生命保険業界も同様の状況にあります。最近のお客さまは情報感度が高く、幅広い選択肢から商品を選ぶことを望まれます。保険会社や保険代理店からのお仕着せを単純に受け入れることはありません。また、高齢化により人口構造も変化し、単独世帯も増えているために、公的制度は財政的に逼迫し、個人がリスクを負わなければいけない状況になってきています。結果的に医療保険、ガン保険、個人年金などの商品を個別にテイラーメイドしたプランへの需要が高まっています。

成熟市場である日本市場における成長の鍵の一つは、お客さまに多様な選択肢から選ぶ機会をご提供することにあると当社は考えています。

当社は専属のコンサルタント社員、独立保険代理店、提携先金融機関による販売による対面販売、さらに電話やインターネットによる通信販売と、多様な販売チャネルを展開しており、お客さまは自分に最適な方法で商品にアクセスすることができます。加えて、生命保険という保障性商品はもちろん、医療保険や外貨建ての貯蓄性商品といった幅広い商品をご提供していますので、お客さまの多様なニーズに対して適切かつ柔軟に提案ができます。

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