2014年10月19日(日)

AFLO=写真

VAIO社長 関取高行(せきとり・たかゆき)
1960年、長野県生まれ。慶應義塾大卒。84年ソニー入社、2006年VAIO事業本部統括部長。14年から現職。


 

「小さいメーカーになったからこそ、制約に縛られずに顧客が求める本質を突き詰め、+α(プラスアルファ)の特徴のあるパソコンを作り出したい」と意欲を燃やすのは、ソニーが投資ファンドに売り飛ばしたパソコンの人気ブランド「VAIO(バイオ)」の“再起動”を託されたVAIOの関取高行社長である。

ピーク時には年間800万台以上を誇ったが、バッテリーの発火問題などが引き金となり、出荷台数が激減した。今年2月、赤字に苦しむソニーが不採算部門リストラの一環としてパソコン事業からの撤退を発表し、7月には事業を引き継ぐ新会社が発足。初代社長にはソニー出身でVAIO事業の再生にも携わってきたコーポレート企画推進部門長の関取氏が横すべりの形で就任した。

新本社はソニーが「VAIOの里」と呼んだ開発拠点がある長野県安曇野市に置かれた。“ネット通販のソニーストアを中心に販売が開始された新生VAIO”だが、「今年度内にすごいモデルを発売する」(関取社長)と意気込みを見せるが、SONYのロゴが消えた以外、目新しさを欠く。“世界のソニー”との大きな違いは、関取社長が強調する「小さなPCメーカー」への変身である。1000人以上も抱えていた従業員を約5分の1の240人に縮小、海外事業からも撤退し、当面は国内に集中する。関取社長は「早期に黒字化させる」とブランド継承への強い意気込みを見せるが、過去のしがらみを思い切って断ち切ることができるかどうかで、VAIOの未来が決まる。

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