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前経済産業相 小渕優子(おぶち・ゆうこ)
1973年生まれ。2000年群馬五区より衆院議員初当選。08年少子化担当相。14年9月経済産業相。


将来は女性で初めての派閥トップ、さらには内閣総理大臣と期待されていた。2014年9月には経済産業相という重要ポストへの抜擢。着実に階段を上りはじめた矢先の転落劇だ。政治資金を巡る様々な疑惑が一気に浮上し、就任後1カ月ちょっとで大臣辞任となった。

00年、首相在任中に急逝した父恵三氏の後を継いで初当選。その後、結婚もして2児のママだ。政界のサラブレッド、テレビ局出身でスタイリッシュな容姿、そして仕事と家庭の両立。三拍子そろった存在感が注目されて利用され、08年の麻生内閣では戦後最年少の入閣。酒も強く、気さくな性格で、記者を手なずけるのも上手く、「優子派」記者も多い。

ところが、後援会の観劇費用を一部負担、選挙区内でのワイン贈答などの疑惑が浮上した。政治資金の扱いが驚くほどいい加減。一部は税金である。「知らなかった」では済まされまい。元首相の娘とはいえ、どれだけ「御飾り」なのか。

「小渕人気」を利用した安倍晋三首相だが、混乱の長期化を避けて、すぐに辞任させた。小渕氏は対抗する額賀福志郎派のホープであり、いつかは安倍氏自らを脅かす存在だ。「利用できなければ肉を切って骨を断つ。脅かす存在はいないに限る」と言う議員も。しかし安倍氏の「人事ベタ」、そして「政治とカネ」という構造的問題が再度露呈したことは、自民党にとって大きなダメージだ。鎮静化を狙う安倍氏だが、誤魔化されてはいけない。国民は今後も小渕氏の説明責任を求めていくべきだ。