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ベネッセホールディングス会長兼社長 原田泳幸(はらだ・えいこう)
1948年生まれ。日本NCR、アップルジャパン社長、日本マクドナルドHD会長兼社長などを経て2014年6月から現職。


 

2000万件を超す個人情報を流出させたベネッセホールディングス(HD)の経営が揺れている。6月に就任したばかりの原田泳幸会長兼社長が7月9日に開いた謝罪会見は、物議を醸した。流出情報を利用した競合企業への批判を繰り返し、「肝心な情報は漏洩していないため金銭的な補償は考えていない」と明言。これが保護者の怒りを買い、その後1週間で5万件超の問い合わせが殺到、約3000人が退会の意向を示した。顧客の反発を受け、原田氏は7月17日に再度会見を開き200億円の補償金を準備すると方針を転換。

記者から「ベネッセは被害者か加害者か」と問われ、「迷惑をお掛けした加害者」と釈明したが、今回の危機対応で原田氏の「経営のプロ」としての名声は傷ついた。

原田氏は米アップル日本法人の社長を経て、2004年に日本マクドナルドHD社長に就いた。「100円マック」をヒットさせ、06年12月期から6期連続で営業増益を成し遂げる。ただ、コンビニなどに顧客を取られ、13年12月期には2期連続の減収減益に。後進育成のため、自身が販売戦略に深く関わらなくなったことが不振の一因と周囲に漏らしていた。

ベネッセの「進研ゼミ」と、「こどもちゃれんじ」の会員数は4月に365万人と2年前に比べ44万人も減った。原田氏は創業家に請われトップとなり、ビジネス感覚が弱い同社の変革を託された。「人生最後の集大成にする」と意気込む原田氏は、目の前の危機を乗り切れるか。早くも正念場に立たされた。