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第18代インド首相 ナレンドラ・モディ
1950年、インド・ボンベイ州生まれ。グジャラート大学卒。インド人民党。「モディノミクス」と呼ばれる経済政策が売り。


 

10年ぶりに与党となったインド人民党のモディ首相は安倍晋三首相とそっくりだ。右派ナショナリスト、戦後世代初の首相、地すべり的な圧勝選挙、モディノミクスの経済政策公約、中国から疎まれる……。安倍氏とはツイッターで相互フォローし、メッセージを交わす仲で、安倍氏がフォローする3人の中の1人。

2002年のイスラム教徒1000人以上がヒンズー教徒に虐殺されたグジャラート州暴動事件当時、州首相だったモディ氏は、暴動を阻止しなかったと、欧米から非難された。だが第一次安倍内閣は、モディ州首相を厚遇し同州の経済を支援。以来、2人は厚い信頼関係で結ばれている。

反イスラム、反西洋のヒンズー至上主義・民族義勇団メンバーという来歴に欧米諸国は警戒感を隠さないが、行政手腕は現実的で冷静との評価は高く、腐敗蔓延るインド政界で清廉を保つストイックさも国内人気の秘密だ。モディ政権により、日印関係は新たなステージに入るだろう。特に、海洋覇権への野望を隠さない中国を牽制する安全保障面での連携。実務家として中国との経済・貿易関係には神経を使うモディ氏だが、中国の拡張主義にははっきりと反対し、中印国境のアルナチャル・プラデシュ州領有問題で一歩も譲らぬ姿勢を強調する。就任式にチベット亡命政府のロブサン・センゲ首相を招待するなど、中国の反感を恐れない。

地域の安全保障と経済の鍵を握るアジアの巨象インドを、親日モディ政権が乗りこなせれば、これは日本にとってまたとない僥倖だろう。