2014年10月10日(金)

人事部長が激白! 再雇用されたのに61~62歳で「ポイ捨てされる」人の共通点

人事の目で読み解く企業ニュース【11】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
溝上 憲文 みぞうえ・のりふみ
ジャーナリスト

溝上 憲文1958年鹿児島県生まれ。ジャーナリスト。明治大学政治経済学部政治学科卒。月刊誌、週刊誌記者などを経て、独立。新聞、雑誌などで経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。『非情の常時リストラ』(文春新書)で2013年度日本労働ペンクラブ賞受賞。主な著書に『隣りの成果主義』『超・学歴社会』『「いらない社員」はこう決まる』『「日本一の村」を超優良会社に変えた男』『マタニティハラスメント』『辞めたくても、辞められない!』『2016年 残業代がゼロになる』など。近著に『人事部はここを見ている!』(プレジデント社刊)がある。

執筆記事一覧

溝上憲文=文
previous page
3

65歳まで働ける人の「敬語」と「口数」

本当はA氏も65歳まで働きたかったのだが、同僚に対する会社のパワハラなどに嫌気がさして辞めたという。

「定年後も残ってほしい社員は、他社に就職されては困る技術系の人などごくわずかしかいません。ほとんどはいらない社員ばかりです」とA氏は言う。

ここまでひどい仕打ちをされては居づらくなるのも確かだ。しかも、本来なら会社に残れなかった人ほどつらい仕打ちをうけやすい。IT企業の人事課長はそういう人たちについてこう語る。

「法制定前は人事考課が2期連続でB+以上あり、かつ所属長の推薦がある人という条件をつけていました。中でも推薦を受けられない人というのは要するに協調性がなく、職場の和を乱す人。そんな人はごく一握りにすぎないが、トラブルを起こさないように所属長に監視させています」

現役時代の悪評は定年後もついて回る。ではどうすれば打ち消すことができるのか。金融業の人事経験者は生き延びる方法として、口数を少なくし、出しゃばらないことだと言う。

「若手が残業しているのに、定時に帰る場合は必ず『お先に失礼します』と言って席を立つこと。会議に参加しても決して自分から発言してはいけません。意見を求められたときに初めて答えるようにすることです。そのうち、周りも『あの人も変わったなあ』と思い始めるし、中には『ここが行き詰まっているのですが、どうしたらよいですか』と言って寄ってくる若手もいるかもしれません。とにかく周囲に好感を持たれるようにすることです」

元の部下に敬語を使うなど、何やら針のむしろに座らせられているような感じだ。こんな息苦しい環境だと辞める人が出るのは当然かもしれない。もちろん、会社によって環境は異なるのだろうが、現役時代と同じ感覚では務まらないのも事実かもしれない。

PickUp