2014年11月21日(金)

まるで象とアリ「大手vs中小」賞与格差、大拡大

人事の目で読み解く企業ニュース【14】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
溝上 憲文 みぞうえ・のりふみ
ジャーナリスト

溝上 憲文1958年鹿児島県生まれ。ジャーナリスト。明治大学政治経済学部政治学科卒。月刊誌、週刊誌記者などを経て、独立。新聞、雑誌などで経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。『非情の常時リストラ』(文春新書)で2013年度日本労働ペンクラブ賞受賞。主な著書に『隣りの成果主義』『超・学歴社会』『「いらない社員」はこう決まる』『「日本一の村」を超優良会社に変えた男』『マタニティハラスメント』『辞めたくても、辞められない!』『2016年 残業代がゼロになる』など。近著に『人事部はここを見ている!』(プレジデント社刊)がある。

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溝上憲文=文
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冬のボーナス平均89万円! ただし、大手76社の話

2015年3月期の上場企業の決算が過去最高益に迫る見通しの中で冬のボーナスに対する期待感が高まっている。

日本経済新聞が調査した3月期決算企業1254社のうち製造業の利益は8%増、非製造業のマイナス5%減益。全体で3%増となり08年3月期に記録した過去最高益に迫るという。

今年の冬のボーナスも各統計機関の集計を見ても昨年よりも支給額が増えている。

経団連の調査では前年比5.78%増の89万3538円(11月13日、第1回集計)。ただし、76社の集計であり、昨年(5.79%増)と同水準だ。

労働組合の連合の調査では約78万円(11月14日、第1回集計)。昨年より4万円増えている。

労務行政研究所調査の上場企業206社の平均額は70万9283円、前年同期比4.6%の増加となっている。

産業別では鉄鋼の16.4%増、輸送用機器8.1%増、電気機器7.0%増を中心に製造業の伸び率が高いのに対し、商業、倉庫・運輸、情報通信の非製造業はマイナスとなっている。海外好調、内需型不振という企業業績を反映した格好だ。

しかし、上場企業全体としては好業績の割にはそんなに高くないという印象を受ける。

労務行政研究所調査の08年の賞与は75万3180円であり、今冬はこれより5万円ほど低い。06年、07年に比べても低い額だ。加えて、物価上昇分を引いた実質賃金(9月)は前年同期比2.9%減と15カ月連続のマイナスであり、ボーナスが上がってうれしいという実感を持つ人も少ないのではないだろうか。

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