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年齢・年収別の平均残業時間(月間)

転職サイト「Vorkers」が約6万8000人のビジネスパーソンの残業時間に関する調査を発表した。月の平均残業時間は「30時間」が14.5%と最も多く、次いで「40時間」(13.7%)、「20時間」(13%)、「50時間」(10%)の順。全体の平均は約47時間だった。

興味深いのは年収と残業時間の関係だ。「300万~500万円」の月間平均残業時間は45時間強、「500万~750万円」が50時間と年収とともに残業時間が増え、「1500万~2000万円」の人は60時間に達している。これに年齢を加味すると、30~39歳層が総じて残業時間が長く、35~39歳の年収1250万~3000万円の人は75時間前後も残業をしている。

政府の成長戦略に管理職以外の「年収1000万円以上」の社員を対象にホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間の適用除外=残業代なし)制度の導入が盛り込まれた。現行制度では週40時間を超える場合は1時間につき25%以上の割増賃金(午後10時以降の深夜残業の場合は+25%の計50%)を支払う必要がある。30代は非管理職層が多く、制度導入でここに登場する年収1000万円超の人は残業代がなくなることになる。

しかも経済界は管理職候補者も対象にすることを目指しており、今後、対象者が拡大する可能性もある。厚労省の調査によると大卒・男性35歳の残業代を含まない月給の平均は約35万円(賃金構造基本統計調査)。1時間あたりの割増賃金は平均2800円。月間75時間の残業代は21万円。年間で252万円もの収入を失うことになる。とても1万円程度の賃上げでは追いつかない大幅な収入減をもたらす可能性がある。