“太もも”を中心とした下半身の強化を説いた健康法が、幅広い男女から高い支持を得ている。静脈の血液を上半身に押し上げるポンプである“太もも”は「第二の心臓」と呼ばれ、健康や長寿の秘密が隠されている。また“太もも”などの下半身の強化は、肩こり・腰痛・高血圧・糖尿病・狭心症・便秘・不眠などの症状の改善につながり、さらに太らない体質を作りダイエットにも大きな効果がある。大ヒット書籍『太ももを強くすると「太らない」「超健康」になる』の著者で、ウォーキングの第一人者、東京学芸大学名誉教授・医学博士の宮崎義憲氏が、手軽に出来る簡単体操を交えながら独自の“太もも健康法”を語る。

ランナーズ・ハイという言葉があります。マラソンやジョギングをする方なら経験済みかもしれません。走り始めると、次第に身体がきつくなり苦しくなってきますが、我慢してさらに走り続けるとある時点から、苦しさを通り越し、快感を覚えるようになることがあります。この状態のことをランナーズ・ハイと言います。

さまざまな実験から「ランナーズ・ハイ」の状態の時、脳内にはリラックス効果のある脳波「α波」とモルヒネと同じような働きがありストレスを取り除く「βエンドルフィン」という快感ホルモンが溢れていることがわかっています。

運動をして身体に負荷のかかった状態の時に、脳内にα波とβエンドルフィンが増加するのです。

ある実験では、日頃あまり運動をしない男性8人に有酸素運動の自転車こぎを30分間やってもらいました。その結果、運動中や運動後にα波は13.5%、βエンドルフィンはなんと75%も増加したのです。

α波とβエンドルフィンは気分を良くするだけでなく、大脳の働きを高め、若返りの効果があるとされています。

つまり心身の若々しさを保ちたいのなら、適宜α波とβエンドルフィンを脳内に分泌させるのが良いのです。