“太もも”を中心とした下半身の強化を説いた健康法が、幅広い男女から高い支持を得ている。静脈の血液を上半身に押し上げるポンプである“太もも”は「第二の心臓」と呼ばれ、健康や長寿の秘密が隠されている。また“太もも”などの下半身の強化は、肩こり・腰痛・高血圧・糖尿病・狭心症・便秘・不眠などの症状の改善につながり、さらに太らない体質を作りダイエットにも大きな効果がある。大ヒット書籍『太ももを強くすると「太らない」「超健康」になる』の著者で、ウォーキングの第一人者、東京学芸大学名誉教授・医学博士の宮崎義憲氏が、手軽に出来る簡単体操を交えながら独自の“太もも健康法”を語る。

加齢とともに増えてくる病気の一つに高脂血症があります。血液中のコレステロールや中性脂肪の値が高くなるという症状です。そのままにしておくと血管が硬くなって詰まりやすくなる動脈硬化を進行させたり、脂肪肝を引き起こします。

さらに悪化すると脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な病気を発症するリスクが高まりますので、高脂血症は早い段階で治す、あるいは改善することが大切です。

高脂血症は、食べ過ぎ(コレステロール値が高い場合はコレステロール分の摂取過剰、中性脂肪値が過剰な場合は全体的な食べ過ぎ)、アルコールの飲み過ぎ(中性脂肪値が高くなる)に加え、運動不足や遺伝的素因が関与して発症します。

ですから、なんといっても大切なのは食事療法。高脂血症と診断された人は医師の指導の元、きちんと食事療法を行ってください。

食事療法をきちんと行う前提のもと、一緒に行うと効果的なのが運動療法です。

運動によって血中の中性脂肪やコレステロールをエネルギーとして燃焼させることで、高脂血症が改善されます。血液中の脂肪分を燃焼させるには、少し息が切れるくらいの軽い運動が適しています。実は100メートルダッシュといった激しい運動では、消費されるエネルギーの90%は糖分で脂肪は約10%程度です。腕立て伏せや腹筋などの中程度の運動では消費されるエネルギーは糖分が70~80%、脂肪は20~30%程度です。

これに対して、速足歩きやジョギングのような軽い運動の場合は、脂肪が50%も消費されます。つまり、脂肪を燃焼するには激しい運動より、ゆるやかな運動のほうが効果的なのです。