2014年4月22日(火)

40代で1000万円!? 不妊治療費の現実

PRESIDENT 2014年3月31日号

著者
白河 桃子 しらかわ・とうこ
少子化ジャーナリスト、作家、相模女子大客員教授

白河 桃子少子化ジャーナリスト、作家、相模女子大客員教授、経産省「女性が輝く社会の在り方研究会」委員。
東京生まれ、慶応義塾大学文学部社会学専攻卒。婚活、妊活、女子など女性たちのキーワードについて発信する。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活」を提唱。婚活ブームを起こす。女性のライフプラン、ライフスタイル、キャリア、男女共同参画、女性活用、不妊治療、ワークライフバランス、ダイバーシティなどがテーマ。「妊活バイブル」共著者、齊藤英和氏(国立成育医療研究センター少子化危機突破タスクフォース第二期座長)とともに、東大、慶応、早稲田などに「仕事、結婚、出産、学生のためのライフプランニング講座」をボランティア出張授業。講演、テレビ出演多数。学生向け無料オンライン講座「産むX働くの授業」(http://www.youtube.com/user/goninkatsu)も。著書に『女子と就活 20代からの「就・妊・婚」講座』『妊活バイブル 晩婚・少子化時代に生きる女のライフプランニング』『婚活症候群』、最新刊『「産む」と「働く」の教科書』など。

執筆記事一覧

少子化ジャーナリスト、作家、大学講師 白河桃子=文
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「3年間で1000万円かかりました。共働きでなければ無理だったでしょう……」

30代後半で結婚、42歳にして第1子を授かった知人から報告を受けた。途方もない額に聞こえるだろうか?

しかし、不妊治療という領域に一歩足を踏み入れたら、それが決して特別な額ではないとわかるはずだ。

そもそも不妊とはどのような状況か。普通の夫婦生活を営み、避妊せず2年間妊娠しない場合を不妊とするという定義(WHO)だが、日本では結婚年齢が高いので、1年間で不妊と定義している(日本生殖医学会)。

現在6組に1組が不妊治療を受け、毎年32人に1人の子どもが体外受精児だ。

不妊治療は最初から高額の費用がかかるわけではない。まずは普通の婦人科を受診し、保険診療範囲内で基本の検査を受ける。検査は1回数千円。男性は1回、女性は月経周期によってホルモンが変動するので5回ほど通院する。この検査は不妊の原因を特定するためのものだ。

不妊の原因が判明したら、原因の治療へ。もしなければ、タイミング治療(排卵周期に合わせたセックスの指導。保険適用で5000円程度)をおこなう。通常半年(6回)ほどでかなりの人が妊娠する。

さらに妊娠しなければ、次の段階「人工授精」に進む。精子を採取して洗浄し、細い管で子宮の奥まで入れて卵管にいきやすくする。ここからが自費診療となり、1回1万~3万円。数回繰り返して妊娠しない場合は体外受精(取り出した卵子に精子をふりかけて受精したら体内に戻す)、そして次が顕微授精(取り出した卵子に1匹の精子を細いガラス管で注入し、受精したら体内に戻す)へと進んでいく。こちらは1回30万~70万円かかる。

自費診療の高度生殖医療の場合、自治体や国からの助成金が出る。ただし、2013年には「女性の対象年齢を42歳(43歳未満)までに制限し、年間の回数制限を撤廃する一方、助成回数は現行の最大10回から原則6回」とする改定案が厚労省有識者検討会でまとめられ、これに合わせて助成額も今後、変更される可能性があるので各自治体に確認する必要がある。休暇や無利息の貸し出しなどの制度がある企業もある。

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