早期化、長期化、そして煩雑化する就職戦線

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図2 採用プロセスの具体的事例

もうひとつ、30年前と大きく異なるのが就活の早期化と内定までの期間の長さだ。就職協定があった当時は10月1日が会社訪問解禁日、11月1日が入社試験解禁日であった(実質は4年のGW~夏休みが就活の場だったが)。

ところが、97年に協定が廃止されると、採用は前倒しとなった。現在は、大学3年の12月1日(実質は10月)にスタートし、大手企業の内定が出る大きな山が4年生のGW前後。この時点で就職先が決まるのが約3分の1。

選考も30年前よりも煩雑化している。(図2参照)。11年の学生1人当たりの平均エントリー数は91.1社、エントリーシート提出数は23.3社、筆記・ウェブ試験は15.7社だ。

インターネットの普及で比較的簡単にエントリーできるので、1人当たりの応募社数が大幅に増えた。その結果、人気企業は面接前に学生を大幅に絞り込み、さらに学生は大量にエントリーするという悪循環。

こうした試練は1年以上続くが、大学4年の12月になっても、2割は働き先が決まらない。最初に志望していた企業よりも条件が悪くても、正社員として採用してくれればいい、という心境になるのも無理はない。ところが、そんな企業にすら落とされるのだ。

ブラック企業は、このように若者が労働市場に溢れ、代わりがいくらでもいることを背景に増殖している。