2014年2月4日(火)

これからの就活に起こる3大変化

しごとの未来地図

PRESIDENT 2014年2月17日号

著者
中原 淳 なかはら・じゅん
東京大学大学総合教育研究センター准教授

中原 淳1975年、北海道生まれ。東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院人間科学研究科、米国・マサチューセッツ工科大学客員研究員などを経て、2006年より現職。著書に『職場学習論』『経営学習論』『プレイフル・ラーニング』(共著)など。

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東京大学大学総合教育研究センター准教授 中原 淳 構成=井上佐保子
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大学生の就職活動が昨年12月1日から解禁となり、あちこちでリクルートスーツ姿を見かけるようになりました。人事・採用担当者はもちろんですが、組織に属して働いていると、採用面接の面接官を担当したり、大学生からOB・OG訪問を受けたりと、何らかの形で採用活動に関わる機会もあるのではないでしょうか。そこで、今回は、採用活動の未来について考えていきたいと思います。

大学生の就職活動については、長期化による学業への悪影響を是正するため、このところ、後ろ倒しとなる傾向が続いています。安倍晋三首相の要請により、2016年卒の大学生からは、就職活動の解禁時期が現行の3年生の12月から3年生の3月へ繰り下げられることになりました。

解禁時期が繰り下げられると、当然ながら企業が人材を見極める期間は短くなります。しかし、いい人材を採用するためには、時間と手間がかかるもの。そこで、これからの採用活動は「前倒し化」「アングラ化」「マルチルート化」が、ゆっくりと段階的に進むのではないか、と私はにらんでいます。

まず、就職活動の期間が短くなればなるほど、企業は少しでも長く見極め期間を取ろうと、アルバイトやインターンシップ、リクルーター面談など、表向きではない非公式な手段で採用活動をより前倒しして、早期から学生との接触を図ろうとするはずです。

採用活動のスタートが3年生の3月だとしても、見極めはもう少し早くから始まります。具体的にはインターンの持つ意味が大きくなるでしょう。現在の対象は3年生が中心ですが、2年生、さらには入学直後から始まってしまう可能性もあります。近年、初年次教育などでは、企業と大学でコラボレーションして行う授業が増えていますが、そうしたものも採用の参考資料になっていくかもしれません。アルバイトでの働き方も、採用の資源として利用されることも考えられます。

かくして就職活動は、ある時点で一斉に行われるムーブメントではなくなり、大学1年生から4年生の間に、自ら意識的に将来へつながるフックを探していく一連のプロセスのようなものとなっていくでしょう。そうなると「どのゼミに入るのか」「どんな授業をとるのか?」「どんなアルバイトをするか」など、過ごし方が重要になり、学生のほうも相当したたかに動く必要があります。

学生時代の活動が職業に直結するということになると、入学時から就業意識が高くないと大学生活を乗り切れません。キャリア教育自体も大学入学以前に「前倒し化」していく必要が出てくるでしょう。

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