10月2日、グリーが希望退職者200人を募集すると発表した。2013年4~6月期連結決算では上場以来初の赤字を記録している。一方、ライバルのDeNAも苦しい。ソーシャルゲーム(交流サイト上で提供されるゲーム)サイト「Mobage」の収入が伸び悩み、13年4~6月期まで3四半期連続で減益が続いている。

なぜ、こうした状況に陥ったのか。最大の理由は、フィーチャーフォン(従来型の携帯電話)からスマートフォン(スマホ)へのシフトが予想以上に早く進んでいることにある。グリー、DeNAの両社はウェブブラウザ上でゲームを遊べるポータルサイトを運営し、隆盛を極めた。自社開発だけでなく、他社製のゲームも遊ぶことのできるプラットフォームをつくり、多くのユーザーを集めることに成功したのである。

だが、スマホの普及でモバイルゲームのルールが劇的に変わった。これまで、ユーザーはポータルサイトへアクセスしてゲームを楽しむのが一般的だった。しかし、スマホのユーザーは、「App Store」「Google Play」などのダウンロードサイトで人気のゲームアプリをダウンロードし、遊ぶようになった。つまり、ブラウザゲームからネーティブゲーム(ダウンロードして遊ぶゲーム)へ主戦場が移ったのである。ブラウザゲーム市場は今後も減少傾向が続くと予想される。

ネーティブゲーム市場の主役がガンホーだ。ゲーム「パズル&ドラゴンズ」が大ヒット。特に昨年10月のTVCM開始以降、急速にダウンロード数を伸ばした。同社にコロプラ、LINEを加えた3社が、先行優位を活かして市場拡大を謳歌している勝ち組である。

では、グリーとDeNAの復活はあるのか。結論から言えば、先行3社を追撃する可能性が最も大きいのがこの2社と考えられる。ネーティブゲーム市場での成功のカギは、(1)良質なゲームを数多くつくれること、(2)マーケティング戦略に長けていること、(3)これらを実行できる財務基盤があること。モバイルゲーム市場のプレーヤーは規模が小さく、財務体質も脆弱な企業が多い。グリーとDeNAはネーティブゲームへの準備を急速に進めつつあり、短期的には、この2社が市場でシェアを伸ばす可能性が高いだろう。

(構成=プレジデント編集部)
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