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中国の固定資産投資

今年に入り中国の固定資産投資が急加速している。なかでも7月の投資額は、季節調整をすると、前月比8.5%アップ。年率なら2割増となった。世間では、中国バブル崩壊が喧伝されているが、設備投資に限っていえば、昨年末の一時的なマイナスを除けば順調に推移している。

その中味と特徴について、日本総合研究所の藤井英彦理事は「産業では、これまでの生産・輸出主導からサービス・消費主導へ移行している。地域的には、広東や上海など沿海部の都市圏が後退し、遼寧(りょうねい)や山東の渤海(ぼっかい)周辺および、湖南、河北、陜西(せんせい)といった内陸部が伸長した。特に地方圏への投資は、中国経済の新たな成長エンジンになっていく」と話す。

この傾向は外国資本にも当てはまり、今春スタートした習近平・李克強コンビの新体制が国内外から一定の評価と信頼を受けたと解釈していい。経済と金融の分野で、長期的かつ安定した健全な発展をめざすという“李コノミクス”のアクセルが強く踏み込まれたということになる。そして、この動きは当分の間は続くと考えておいたほうがよさそうだ。

もちろん、リスクが皆無というわけではない。藤井理事は「北京や上海で一部の理財商品が値崩れするかもしれないが、物価、賃金は上がっており、中国経済全体への影響は少ない。むしろ、中国経済の大きさが世界経済におよぼす影響こそが懸念材料。とりわけ、資源・食糧に関しては、中国の需給の逼迫による価格上昇を注意深く見守る必要がある」と指摘した。