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建設投資の推移

今年度の国内建設投資が堅調に推移しそうだ。建設経済研究所の見通しでは、前年度比7.9%増の48兆4600億円となっている。公共事業実施件数が順調に増加していることに加え、民間レベルではマンションや持ち家などの住宅着工戸数が増加。オフィスや工場・倉庫などの非住宅建設も回復基調が続いている。

その理由を同研究所の角南(すなみ)国隆研究理事は「年初からの緊急経済対策に伴う2012年度大型補正予算の政府建設投資額5.4兆円が今年度内に執行され、その出来高が実績に反映される。また、来年4月からの消費税増税前の駆け込みと低金利下での住宅需要の活性化が目立つ。リーマンショック後にガクンと落ちていた設備投資が、ゆっくりと戻ってきている」と話す。

逆に、翌14年度については、同7.1%減の45兆400億円にとどまり、12年度と同水準になると予測した。補正予算がらみの工事も一段落。一方、民間では現政権が提唱する投資減税などを背景に企業の設備投資は増えそうだが、住宅に関しては駆け込み需要の反動が出るからだという。

とはいえ、参院選における自民党圧勝が、アベノミクスを加速させることは間違いない。さらに、東日本大震災の被災地復興や防災・減災対策を含み、10年間で200兆円を投じるといわれている「国土強靭化基本法案」の動向によっては、今年度を上回る可能性も少なくない。ただし、角南氏は「新年度予算編成は待ったなしの財政再建との折り合いも必要」としており、適切な予算の配分が望まれる。