2013年10月7日(月)

男に多い「オタク脳」、女に多い「きずな脳」

茂木 健一郎:世界一の発想法

PRESIDENT 2013年9月2日号

著者
茂木 健一郎 もぎ・けんいちろう
脳科学者

茂木 健一郎1962年、東京都生まれ。東京大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学博士専攻博士課程修了。理学博士。第4回小林秀雄賞を受賞した『脳と仮想』(新潮社)のほか、著書多数。

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茂木 健一郎 写真=PIXTA
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今ブームの「カメラ女子」は、SNSなどで写真を他人と共有することを楽しんでいる。(写真=PIXTA)

講演の際など、脳についての質問をいろいろ受ける。その中で多いものの1つが、「男と女の脳はどう違うのか」という問いである。

この質問に答えるのには、難しい点がある。というのも、男女の脳差がある、と言い切ってしまうと、個人差を無視することになる。かといって、男女の脳差はない、と言えば、ウソになるのだ。

男女の脳差を理解するうえでは、大切な概念が2つある。

1つは、「統計的傾向」。男にも、女にも、さまざまな脳がある。そんな中で、統計をとれば、男性には比較的「こんな脳」が多く、女性には「こんな脳」が多い、というような傾向を論じることはできる。男女の脳差は、すべて、統計的傾向にすぎない。

もう1つは、「スペクトラム」。男の脳はこう、女の脳はこうと言っても、それぞれの傾向に幅がある。そのような広がりをもった「スペクトラム」の中のどこかに、1人ひとりの脳は位置するのである。

極端な「男性脳」から、極端な「女性脳」まで。それぞれの個人が、スペクトラムの異なる場所にいるから、社会は面白い。男の脳はこう、女の脳はこう、という話はあくまでも参考程度。それぞれの脳を「みんな違ってみんないい」の精神で尊重することが、脳を活かすことにつながる。

さて、以上のことを確認したうえで、男女の脳差で面白いのは男性が比較的1つの事にこだわる「オタク脳」であり、女性がどちらかといえば人間関係を大事にする「きずな脳」だということ。「男性脳」=「オタク脳」と「女性脳」=「きずな脳」では、同じ対象でもアプローチが異なるのだ。

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