2013年10月17日(木)

グーグル流「遊びながら結果を出す」仕事術

茂木 健一郎:世界一の発想法

PRESIDENT 2013年9月16日号

著者
茂木 健一郎 もぎ・けんいちろう
脳科学者

茂木 健一郎1962年、東京都生まれ。東京大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学博士専攻博士課程修了。理学博士。第4回小林秀雄賞を受賞した『脳と仮想』(新潮社)のほか、著書多数。

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茂木 健一郎 写真=AFLO
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カリフォルニア州マウンテンビューのグーグル本社に行ったときの印象を一言で表せば、「遊んでいるな」というものだった。

会社の敷地は、まさに大学のキャンパスのよう。目立つところに、巨大な恐竜の化石のレプリカ(ティラノサウルス!)があった。自転車やスケートボードが、いろいろな所に転がっている。セグウェイで行き交う人もいる。

清涼飲料水を売る自販機は無料。食堂(カフェテリア)も無料。ハッカーが何も気にしないで仕事に熱中するには、最高の環境が実現されていた。

「おもちゃ箱をひっくり返したような」空間。そのあちらこちらで、世界を変えるようなプロジェクトが進んでいる。脳科学の視点から見ても、グーグルのキャンパスの雰囲気は、興味深いものであった。

世間では誤解があるようで、「仕事」と「遊び」は別だと考える人が多い。特に、日本人はマジメ。「仕事」に「遊び」を持ち込むなんて、とんでもないという意見が目立つ。

しかし、脳科学的にいえば、もっとも創造的で、効率のいい仕事ができるのは、まるで遊んでいるかのように仕事に取り組むときである。遊んでいるときにこそ、人間の脳はその潜在的能力を最大に発揮することができるのだ。

「遊び」が大切なのは、特に、リスクに向き合うときである。イノベーションを起こすためには、できるかどうかわからないという不確実性に、「必ずできる」という根拠のない自信をもって向き合わなければならない。

遊びは、まさにリスクに向き合うときの最高のスタイル。子供のときのことを思い出してほしい。ゲームでも、スポーツでも、後先のことを考えず、これで失敗したらおしまいだなどと思わずに熱中したときが、1番楽しかったし、成長もしていたのではないか。

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