ユダヤ人が大切にする生き金の使い方

お金儲けが上手なことで知られるユダヤ人の家計はどのようになっているのだろう。

マダム・ホー
ロサンゼルス在住の日本人投資家、作家、講演家。南カリフォルニア大学(USC)、UCLA両大学院修了。夫は東南アジア出身の華僑。著書『世界一愚かなお金持ち、日本人』は8万部のベストセラーに。
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1975年にリハビリを学ぶためにアメリカの高校へ留学し、その後に学んだ南カリフォルニア大学で知り合った東南アジア出身の華僑留学生と結婚したマダム・ホーさんは、華僑やユダヤ人の富豪から「本当のお金儲けの方法」を教わり、20代で最初の1億円の資産を築き上げた。それだけにホーさんは彼らのものの考え方を熟知しており、お金や家計に対する姿勢を次のように説明する。

「華僑も基本的に同じなのですが、ユダヤ人はお金を人生にとって大切なものの1つとして捉えています。日本人の場合は『お金が好き』というと、守銭奴のように思われてしまうためなのか、あまり口にしません。しかし、彼らが集まると必ずといっていいほど話題になるのが、ビジネスや投資に関するお金儲けの話。ただし、彼らの人生がお金に振り回されているわけではなく、社会への還元も積極的に行っています。そして、日々のお金の使い道を『生き金』と『死に金』とに明確に分けています」

ここでいう「死に金」とは、いわゆる「消費」に回されるもの。できるだけ必要最小限に抑えようと努力する。もう一方の「生き金」は将来のビジョンを持って使うものであり、いつか豊かになって戻ってくる「投資」のことを指す。

たとえば、米国屈指の高級住宅街であるロサンゼルス郊外のビバリーヒルズの駐車場にはメルセデスベンツが並んでいる。その高い安全性能を評価しているのもさることながら、ベンツのオーナーであることで得られる社会的信用がビジネスでの成功につながるからなのだ。

また、ユダヤの格言やキリスト教の聖書の教えのなかに、この生き金の活用に通じるものがあるそうだ。それは「飢えた子どもに魚を与えると、その子はその日1日だけ空腹を感じないが、翌日にはまた空腹を訴える。しかし、飢えた子どもに魚の釣り方を教えると、その子は一生食べていける」というもの。それだからなのだろう、彼らの子どもに対する金銭教育も徹底している。