――チームの成長のポイントは?

「W杯に向けて大切なのがフィジカルコンディションです。日本の戦い方というのは、特徴としてフィジカルを前面に押し出すサッカーをしているわけです。だからこそ、全員がフィジカルコンディションがいい状態で臨むことが大切になるのではないか。フィジカルの話をすると、体が大きいとか、体が強いとか、を想像される方が多いんですけど、フィジカルとはそれだけでなく、相手より速い動きとか、俊敏に動けるとか、そういったこともフィジカルの要素に含まれるわけです。日本はそこのフィジカルをより高めていかないといけない」

――周りに惑わされず、「攻撃サッカー」をつくり上げる。最後に唐突ながら、1番好きな日本語は?

「ダイジョウブ」

――では、リーダーにとって1番大事なことは?

「ぶれないこと」

即答だった。その瞬間のどんぐりマナコが光を帯びた。名将は例外なく、まっすぐ芯が通っている。信念、選手を「信じる力」と言ってもいい。

アルベルト・ザッケローニ
1953年、イタリア生まれ。30歳でチェゼナティコの監督に就任後、ACミラン、インテル、ユヴェントスなどイタリア名門クラブの監督を歴任。ACミラン時代にはリーグ優勝を果たした。2010年、日本代表監督に就任。AFCアジアカップで優勝に導く。13年6月、日本代表のワールドカップ2014出場を決めた。母国でホテルを所有し、経営者の顔を併せ持つ。
(松瀬 学=インタビュー・構成 若杉憲司=撮影)
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