英検には「従来型」と「S-CBT」の試験形式がある
英検は「民間英語資格試験」ということになりますが、民間英語資格試験には他にTEAP、GTEC、TOEFL、IELTS、TOEIC、ケンブリッジ英検なども含まれます。ここで各試験の特徴について全てを説明するのは字数が足りませんが、英検の特性と「なぜ大学入試で幅広く使えるのが英検なのか」を理解していただくためにも簡単に説明しておきます(図表1をご参照ください)。
では、英検です。英検はご存じの通り級ごとに難易度が分かれています。各級で合否判定があり、合否は英検CSEスコア(※)によって判断されます。大学によっては取得級ではなくこのCSEスコアで入試利用する際の基準を設定しているところもあります(※後述)。
※Common Scale for English:大雑把にいうとCEFRを数値化したもの。CEFRがレベル帯による“枠”での判定基準なので、それをさらに細かくスコア化できるCSEは役立つ指標となる。0~4000までの幅で評価し、英検1級満点でもCSEスコアでは3400までの評価しかされない。
このCSEスコアは大学入試に英検を利用する際に意識するべきポイントがあるので、もう少し詳しく説明します。英検には従来型〔※試験会場での筆記による受験形式。年3回実施。1次試験(Re/Wr/Lis)・2次試験(Sp)の区別がある〕とS-CBT(※試験会場でコンピュータで受験する形式。原則として毎週土日実施。Spまでの試験を1日で行う)の2つの形式の試験があります。
従来型が「1次合格→2次受験」という過程を経てCSEスコアが確定する(※仮に1次不合格である場合にはSp分を合算したCSEスコアにならない)のに対して、S-CBTでは不合格でもCSEスコアはSpの評価までを含むためCSEスコアは高くなる傾向があります。つまり、CSEスコアでの入試利用基準を大学側が出している場合には、S-CBTを利用する方が理にかなっているわけです。この点は意外にもあまり理解されていないのでこれを機に知っておいていただきたいと思います。
「英検一強」の状態になっている背景
試験内容という観点から以上の民間英語資格試験に英検も含めて言及すると、まずTOEICは社会人向けの試験内容になっており、他の試験とは想定受験者が異なると言えます。残りの試験のうち日本の英語学習者を強く想定しているのは英検・TEAP・GTECです。そうした違いはIELTS・TOEFL iBT・ケンブリッジ英検のWr/Lis/Spの出題の仕方などに表れています。
こうした違いを「難度」という観点にまとめるのはあまり適切ではありません。IELTS・TOEFL iBT・ケンブリッジ英検などの試験が“見かけ上難しそう”だとしても、準備して受ければ、受験結果は英検などの結果と似通ったものになるというのが現場での印象です(そうでなくてはならないのですが)。
ただ、この“見かけ上難しそう”であるかどうかが学習者の学習に対する姿勢に影響を与えることは多々ありますので、その意味で日本人の学習者である場合には英検・TEAP・GTECに「学びやすさ」や「受けやすさ」という点で優位性があると言えます。そして、学習教材(書籍の充実度などを含めた情報の量)という点では英検がTEAP・GTECを圧倒しています。
これら全ての事情が現在の「英検一強」の状態に繋がっているわけです。



