読書感想文の書き方3ステップ

本を選んだら、いよいよ読書感想文に取り組みましょう。読書感想文の書き方は、次の3ステップです。

ステップ1:「心が動いたシーン」「疑問に思ったシーン」など、大切な場面を一つに決める

ステップ2:なぜ自分がそこを気になったのか、質問形式で書き出す

ステップ3:その質問に、自分なりの考えや経験を交えて答える

これができれば、自然に「自分だけの感想文」を書くことができます。

よくない感想文の代表例が、「あらすじ感想文」です。「~しました、~とわかりました、終わり」というパターン。でも疑問を持つと、自分はどう思ったか、どう考えたかということが必ず出てくるので、自分の思いから生まれた感想文になるのです。

図書館の書棚の前で本を広げて読み始めている少年
写真=iStock.com/Image Source
※写真はイメージです

この書き方を前提にして、本を読んでいきます。最低2回は読みます。

1回目は本を読みながら、心が動いたシーンや台詞を見つけて、メモしていきます。好きな台詞や情景、自分の感想や感情、疑問など、どんな些細なことでも、書き出していきます。

ちょっと裏技ですが、1回目の読書は「聴く読書」でもよいでしょう。オーディオブックなどの朗読に助けてもらう。あるいはドラマや映画、マンガ、アニメを使うのもありです。自分にとって大切な場面を見つけることができればOKです。

そして、なぜそこで心が動いたのか、なぜそのシーンが好きなのか、メモした大切なところに対する問いをつくります。そして2回目は、その問いの答えを探しながら、読み返しましょう。問いを持って答えを探しながら読むと、いらないところはどんどん捨てられますし、ここはゆっくりじっくり読みたい、と読み方に濃淡がつけられます。そのときも、メモは必須。これが、書く内容を見つけるという作業になります。

『走れメロス』を傍らに原稿用紙に向かう
撮影=プレジデントオンライン編集部

もし夏目漱石『こころ』で感想文を書いたら…

実際に夏目漱石の『こころ』を例にすると、こんな感じになります。

ステップ1「心が動いたシーン」「疑問に思ったシーン」など、大切な場面を一つに決める
→「先生」が死んだ

ステップ2なぜ自分がそこを気になったのか、質問形式で書き出す
→なぜ先生が死んだのか。Kの自殺と先生の死を結びつけているものは何か……

ステップ3その質問に、自分なりの考えや経験を交えて答える
→Kの自殺の原因は、直接は先生がお嬢さんを奪ったこと。その罪悪感だと思う……