「自分の悩み」から本を探してみる
実は本というのは、人の悩みの数だけ書かれています。ですから“悩み”という自分のスイッチからスタートすれば、自分から本を探して見つけていく流れができます。そうすると本の選び方が変わってくるでしょうね。
子供は成長の過程で、必ず親に言えない悩みが出てきます。そういうときに大人に相談すると、たいていろくなことにはならないものですが(笑)、本というツールが助けになる。図書館は、単に小説を借りる場所ではなく、いろいろな人の悩みを解決してきたことを知る場所であって、それで必ずしも直接的な答えは得られないかもしれないけれど、本に出会うことで悩み方自体を変えることができる。問題を二つに分けたり、書き換えたりすることで、いつか答えにつながる。
「一気に解決しない問いに向き合う」ということを身に付けられる数少ないやり方が、実は読書なのかもしれません。それはきっと、一生役立つはずです。
本にカギをかけたら子供は読みたがる
子供を読書好きにする方法が、もう一つ。それは、大人も一緒に読むことです。朝読書では先生も読む、家では親も読む。
かつて家族みんなが、一緒に同じテレビ番組を見たように、家族の誰かが朗読して、家族全員がそれを楽しむという読書の形がありました。今なら夕食後に、家族みんなで本を読むのもいいですし、今日読んだ本の話を家族でするのもいい。大人が「今日読んだマンガ、なんか感情移入できなくて」「こんなセリフがあったんだけど、どういう意味?」といった疑問を投げかけて、子供がそれに答えるなんてことができたら最高です。
どうしても子供に読んでほしい本があれば、その本について楽しそうに話す。でも読ませない。何なら本にカギをかけて「お前にはまだ早い!」と言えば、子供はかえって気になるでしょう(笑)。
今まで私たちが持っていた読書観が、読書観を狭くし、読み手を減らしてしまっていたということを、今こそ私たち大人は知るべきでしょう。でも読書は、もっと自由なものです。読書家ならぬ読書猿としては、もっともっと“愉しむ読書”を広げていきたいですね。



